【ツール/インタビュー】「マストドンはオープンソースで拡張性がある」! 新興SNSマストドン利用者対談

 前回はマストドンの特徴をじっくりと紹介しました。今回はマストドンを実際に利用している人の対談をお届けします。
 前々回にデザインと交通・まちをテーマにインタビューさせていただいた「にし」さんに再びご登場いただき、今回はざっくばらんに対談させていただきました。

にし@westantenna@matitodon.com):インスタンス「まちトドン」管理人。文字を起点に鉄道・バス・路上観察など幅広い分野に目を向けて活動中。マストドンの居心地がよく、最近はTwitterよりもマストドンがメインの居場所になった。
HP:多西送信所

鳴海行人@mistp0uffer@matitodon.com):matinote編集長。「交通やまちのインスタンスがあると面白いなぁ」と言ったら、にしさんにインスタンスを作っていただいて頭があがらない。最近はTwitterとまちトドンで投稿する内容を分けて使っている。
HP:まち探訪家の日々

 
akaricafe-sweets

前々回のインタビューと同じく「akaricafe」(立川市)さんで対談を行いました

 

マストドン利用者、管理者として

鳴海:にしさんはマストドンに対してかなり初期から注目されていましたよね。

にし:Twitterでフォローしている人がつぶやいているのを見て面白そうだと思ったのが最初です。新しいものが好きなので。アカウントを実際作って参加すると、サービスの黎明期らしく暖かくも盛り上がっていて、雰囲気が気に入りました。そしてインスタンス(サーバーのこと。話題毎にインスタンスがある)が作れるということを知り、「自分でインスタンスを作ったら面白いな、でも大変だろうな」と思っていました。そんなときに鳴海さんから「まちに関するインスタンスがあったら面白そう」という発言があって、作ることにしました。

鳴海:なんとなく「あったら面白いなー」ってつぶやいたら、いつのまにかにしさんが作り始められていて、びっくりしました。

にし:実際作るまでが大変で、技術力が及びませんでした。結局ホスティングサービスを利用しています。

鳴海:ありがとうございます。お疲れ様でした……。

にし:ホスティングサービスは少しお金がかかります。でも、マストドン専門のサービスなので、マストドンのバージョン上がると自動更新してくれます。おかげで楽をさせてもらっています。ちなみにサーバーはヨーロッパにあるそうです(笑)

 
masto.host

マストドンのホスティングサービス「masto.host」のサイトより。ポルトガル人のHugo Gameiroさんによってサービスが運用されています。なんと、日本語にも対応しています。

 

鳴海:にしさんは最近ずっとマストドンにいらっしゃいますよね。Twitterで見かける回数が減りました(笑)

にし:せっかくインスタンスも作りましたし、お金もかかっているので、使わないと損かなと思いまして。それにTwitterに少し窮屈さを感じていたところなんです。そこで、マストドンでのんびりしているという部分もあります。

鳴海:Twitterのごちゃごちゃもいいのですが、見るのがしんどい時があります。そういう時に1つのSNSに依存しているとつらいと思います。なので、SNSは複数使い分けたほうが楽だと思います。私はマストドンとTwitterで併存できると思っていて、実際Facebook、Twitter、マストドンの3つのSNSを駆使しています。

にし:私の場合はインスタンス毎にテーマが決まっているのも魅力だと思っています。まちトドンのほかに、DTP-Mstdn.jp(印刷。デザインのインスタンス)とかくどん(小説書く人・読む人のインスタンス)にアカウントをもっています。どこも温い感じで、雰囲気がまったりしています。そこが大きな魅力ですね。

鳴海:投稿内容でいえば、Twitterであまり投稿しないB級スポットも話をマストドンではよくしている気がします。B級スポットって人を選ぶので、Twitterでしづらいと思っていまして。その反動でマストドンではレトロ自販機や面白スポットの話しかしていない気がします(笑)

 
鳴海トゥート

筆者のマストドンアカウントのトゥートをスクリーンショットしたものです。群馬県の自販機食堂を訪れた写真をアップしています

 

にし:私はTwitterでつぶやくようなことをインスタンス毎に割り振っています。それから、魅力なのはトゥートの文字数ですね。500字なので文字数をあまり気にしなくても書くことができます。

鳴海:私もTwitterの140字制限だと少ないなと感じるときが時々あり、マストドンの500字制限はありがたいと思っています。500字くらいなら日本語でもパッと読めますし。そうそう、気にしなくていいというと、フォローもそうですね。

にし:マストドンはTwitterよりもホームタイムラインの重要性が低く、適当に扱えるのですよね。本来はフォローってそんなに重いものではないはずなんです。Twitterでは「相互フォロー」という言葉が使われているように、フォロー関係が気軽にできなくなっていますが……。

鳴海:確かに、TwitterにおけるフォローがFacebookにおける「友達」に近いものになってしまっていますよね。おかげで息苦しくなることもあるかもしれないと思います。マストドンはフォローの重さを軽くした意味では画期的だと思うのですけど、中々利用者が増えません。個人的には推しているので、利用者を増やしていきたいです。

にし:そうですね、もう少し人を増やしたいと思っています。まったりとした雰囲気は維持しつつ、幅広くまちのことを語り合う場所にしていきたいですね。

マストドンとまちの組み合わせが生み出す新たな可能性

にし:マストドンでは地域毎のインスタンスが結構出てきていますね。

鳴海:私は長野のインスタンスにアカウントを持っています。地域情報のコミュニティって需要あると思います。例えば今でも人気の地域情報コミュニティというと、「まちBBS」というのがあります。2ちゃんねるのような掲示板なのですが、時折すごく濃い地元情報が飛び交っています。もしかするとこちらの代替というか、発展形になるかもしれません。マストドンでは1つの地域のインスタンスを立て、その地域の話だけでタイムラインを作ることができます。これはTwitterやFacebookでは中々難しかったことだと思います。そういう意味で、マストドンは可能性を持っていると思います。

にし:そういう地域性をもったものと相性がよさそうですね。

 
まちBBS

まちBBS」のトップページ。ちょっとデザインは古い印象を受けるが、1大掲示板コミュニティを持っている。

 

鳴海:「まちBBS」ですと、テキストだけで写真が付けられない。一方でマストドンだと写真が付けられます。

にし:2ちゃんねるのような匿名性よりも発言とアカウントが紐づいているくらいの匿名性ですと、発言が追いやすいです。そして、マストドンの方が人と人とのつながりもできて楽しいと思います。

鳴海:確かにそうですね。少し安心感というのでしょうか、人の姿が見えてくるような気がします。

にし:地域の情報といえば、要望的なものがひとつあります。トゥートに位置情報がつけられるといいかなと思っています。Twitterよりマストドンの方が便利な機能や仕様がいくつもあります。だからこそ、公式の機能としてジオタグがないのが残念です。

鳴海:確かに、写真のあるトゥートにジオタグが紐づけできるといろいろ広がりそうですね。

にし:マストドンはトゥートに紐づく情報がすべて公開情報になっています。なので、そのデータを引っ張ってきて色々何かできそうかなぁと思います。

鳴海:新しいサービスを作れそうですよね。路上観察の写真をマッピングするシステムですとか。投稿フォームの煩わしい入力なしに、マストドンの投稿で自動的にマッピングされるなんていうのはすごく面白そうです。

にし:そういう位置情報を使った何かができるといいなぁと思います。

鳴海:マストドンはオープンソースで拡張性があるのがいいですよね。私はオープンソースのプロジェクトが好きで、QGISopenstreetmap、そしてマストドンをこうやって使っています。オープンソースのコミュニティにある「みんなで作ろう」、「みんなでやろう」という雰囲気が好きなんです。一方で、私はプロダクトを利用するばかりなので、申し訳なさもあります。でも、マストドンを通じてオープンソースのプロジェクト的なコミュニティが根付いていってほしいと思っているところです。今はオープンソースのプロダクトの面白さや拡張性を伝えたいですね。公共交通やまちはクローズドなコミュニティなので、マストドンがそういったクローズさから開放でき、オープンな方向に誘導できると面白くなるんじゃないかって妄想してしまいます。

 
osm-jp

openstreetmapのホームページ。地図が閲覧できるほか、GPSログや航空写真などを参考に地図を描画することができる

 

にし:話が壮大になってきました。
鳴海:それだけ可能性があるかな、と思っています。だからこそ、これからもマストドンに緩やかに利用者が増えていってほしいと願っています。

おわりに

 いかがでしたでしょうか。新しいSNS「マストドン」の可能性を少しでも感じていただけたのでしたら幸いです。
 少しでも興味を持っていただいた方は前回の解説記事をご覧いただくか、早速インスタンスに登録してみてください。きっと新しいコミュニティ・コミュニケーションの形を発見できると思います。
 そして、せっかくですから、「まちトドン」にぜひご参加いただければと思います。皆さんと共に新しいコミュニティが作れることを楽しみにしております!

 
マストドンマーク

Let’s “Toot” together!

 

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鳴海 行人
matinote仕掛人・ライター・マネージャー(編集長) 90年生まれのまち探訪家。 地域を俯瞰的に見つつ、歴史を掘り下げて現在の姿への系譜を探りながら、まちを観察をしています。地誌・地方都市・総合交通体系・ロードサイド・観光・空間デザインなど様々な視点を駆使し、まちを読み解くことがひとつの楽しみです。