ダイロクマチノテ代表から年始のごあいさつ
みなさま、新年あけましておめでとうございます。代表のかぜみなより新年のご挨拶を申し上げます。
昨年はコアメンバーの多忙や個人的な事情により記事の更新停滞が目立つ1年となりました。お待ちになっていた方々には大変ご迷惑をおかけし、お詫びいたします。
2019年は記事更新の安定化をめざし、我々としてもまず一個人としての足元をしっかりと固めつつ、そのうえでmatinoteの取り組みに全力投球できるような1年にしたいと考えております。そうした目標達成のためには、たくさんのお力添えを頂いた昨年度以上に、また外部からたくさんのお力添えをお借りすることになろうかとは思います。
ぜひ2019年も任意団体ダイロクマチノテ、まちコトメディア「matinote」を皆様と共に創り、そしてご贔屓いただきますよう、重ねてよろしくお願い申しあげます。
2019年1月吉日 ダイロクマチノテ代表 かぜみな
matinoteコアメンバーが昨年を振り返る
大阪メトロの衝撃
鳴海:昨年のまちに関するトピックについて、特に印象に残ったものを聞かせてください。
かぜみな:12月に発表された「大阪メトロの活力インフラプロジェクト」に全部持っていかれたという感じですね。今年一番の衝撃でした。
鳴海:その心は。
かぜみな:「ポエムなものに対するはばかりのなさ」という点ですね。大阪だからということはなく、どこがこういう計画を出してもこうなったと思います。
鳴海:あれは衝撃でした。「活力インフラ」の連呼にはちょっとうんざりもしましたが。もちろん、いいデザイン変更もあるとは思いますし、駅のリデザインで変わる大阪を表現することも大切だとは思います。それにしてもなんだか違和感のある計画がいくつも見られますね。実際、ネットでの反応でも車両はそんなに変えられないだろうとか、陳腐なデザインなのではないかという意見が見られ、大阪メトロが慌ててホームページで「これは決定ではない」というリリースをながした程でした。
小田急の複々線化でまちや周辺私鉄にも影響出るか
鳴海:さて、夕霧さんはどうでしたか。
夕霧:うーん、やはり昨年はじめに挙げていた通り「小田急の複々線化」ですかね。まちそのものに対するインパクトはそこまでないですが、小田急がまちに対してできうる投資をいま固めて一気にやっているという感じがします。
かぜみな:多摩線に対して小田急が仕掛けてくれたおかげで京王沿線の人が得をしたと思います。もちろん、京王自身が乗客を小田急に奪われたという側面がありますが、京王ライナーの登場や運賃引き下げで少しは引き留められているのではないかと。また、多摩市との連携を強化したという面も大きいですね。
鳴海:個人的には小田急は多摩線に対して思ったより攻め切れていない印象です。また、まちに投資をしているといっても神奈川県央エリアに対するケアが弱いように見えてしまいます。あの距離帯で発展しているまちをもっているという他社にない強みがあるのですから、もう少し大事にしてもいいと思いますが。そして小田急は沿線の自治体との連携が弱いのが見えてきました。ここはウィークポイントなのではないでしょうか。
夕霧:県央を大事にしていないといっても海老名や江ノ島線にはきっちり投資をしていますから、やはり投資のできるところにやっているというのが正しい気がします。ただ、指摘の通り、沿線自治体との連携は弱いですね。
鳴海:複々線化というと、混雑はどうでしょうか。
夕霧:8ヶ月経って見てみると、快速急行は相変わらず混んでいます。ただ、朝に関して言えば選択肢が増えました。「選べばすいている電車に乗れる」という考え方もあります。そして夕方については混雑の印象が大きく変わりました。これは千代田線からの直通列車が増えたからでもあり、特に千代田線から乗って帰宅するルートは明らかに楽になっている印象を受けますね。
鳴海:なるほど。選択肢ができたことは大きいですね。
地方は大きなトピックないが、西鉄の動きに注目
鳴海:さて、私からの話をするのがまだでしたね。ただ、今年は来る東京オリンピックもしくはインバウンドに対してリソースが割かれていたせいで、地方は大きなトピックに乏しかったという印象です。福岡で西日本鉄道がMaaSアプリのプロトタイプリリースなど気を吐いていますが、どちらかというと、天神のリデザインがどうできるかが、西鉄、そして福岡のキーポイントになると思います。あとは相鉄の動きが目立ちましたね。JR・相鉄直通線開業に向けた地ならしにかかっているという印象でした。
かぜみな:やはり社運がかかっていますから違いますね。商業施設でいっても、二俣川のジョイナステラスは目立ちました。横浜という都市を背負ってゆく気概を見せています。
百貨店業界は不作
鳴海:そうですね。ところで、昨年頭に発表した注目商業施設・・・・・・。
かぜみな:あ、ミーツ国分寺の話ですね・・・・・・。伊勢丹の新しい形態の商業施設ということで期待もあったのですが、できあがったものを見ると期待しすぎていたところがあったように思いました。伊勢丹に関して言えば、店の編集力が場所性に依存しているように思えてなりません。少し極端にいうと新宿だけでしかうまくできないようにすら見えてきます。東京近辺に限った話になりますが、立川店ですら若干元気がないように感じます。また、人がそれなりに入っていた相模原店(相模大野駅前)の閉店に驚きました。それなりに「百貨店」として体裁を持っていて、隣駅の町田にある百貨店と互角に戦える質はあるように思っていたので……また、9月に開業した高島屋の日本橋S.C新館もやりたいことはとてもよくわかるのですが、キラーコンテンツにはなりきれてない感じはあります。
鳴海:伊勢丹は松戸店の閉店があり、府中・相模原の閉店発表がありました。高島屋の日本橋店は私も見てきましたが、正直に言えばコレドとあまり変わらない印象を受けました。では、昨年の振り返りはこの位にして、今年の注目について今度は文章でいただこうと思います。ありがとうございました。
2019年はこのまちに注目!
松戸・府中・相模大野(かぜみな)
いずれも伊勢丹が撤退・撤退予定のまちですが、これらの退店跡では、新たな商業施設が跡地に誘致されることが想定されますし、実際に松戸店跡では後継となる商業施設の計画が進んでいます。その成否が、百貨店という業態そのものの意義について、大きな一石を投じるのではないかと思っています。
もっとわかりやすく言うと、百貨店ではない新しい商業施設が支持されるか否かで、立地や建物条件が悪かったのか、あるいは百貨店という業態がそのまちに必要だったのか否か、しっかりと明らかになると思うのです。
前例としては東京都多摩市の多摩センター駅周辺(多摩そごう→多摩センター三越が撤退)、東京都八王子市の八王子駅周辺(そごう八王子店他複数の百貨店が撤退)、千葉県柏市の柏駅周辺(そごう柏店の撤退)などがあります。
閉店後、それぞれが様々な経緯をたどっています。そうした前例を踏まえつつ、百貨店が消えゆく郊外がどのように変化していくのか、今年は都市の郊外で百貨店が消えるまちの行く先を、注目をしていきたいと思っています。
二俣川・相鉄沿線(夕霧)
今年も昨年と似たようなチョイスで恐縮ですが、横浜市・二俣川(相鉄沿線) は注目です。
今年は、新線として「相鉄新横浜線」が一部開業・JR線との直通運転によって相鉄線〜新宿・渋谷方面が1本で結ばれる予定です。都心への時間短縮は著しい上、横浜駅を通らない流動が増えることでまちへの影響はかなり大きくなるでしょう。(ただ、1時間に2〜3本、ラッシュ時3〜4本ということで、どこまでシフトが進むのかは未知数ですが……)
話をまちに移すと、免許センターがある二俣川はこれまで、神奈川県民にとって「免許更新のときに行くまち」という印象が強くありました。しかし、再開発によって駅直結の商業施設「ジョイナステラス」が開業し、力のある商業施設がある郊外拠点駅としての重要性を上げたように思います。
また二俣川のほか、小田急線と接続する海老名も近年拠点性を大きく伸ばし、人を引きつけるようになっています。
拠点駅に加えて、郊外住宅地での動きも見られます。例えば、新横浜線が分岐する西谷では大規模な住宅開発が行われています。また、いずみ野線・南万騎が原では横浜市と共同で「南万騎が原駅周辺リノベーションプロジェクト」も進行中です。
郊外住宅地という地域の役割が大きく変わるわけではないと思いますが、どのような変化が起こるのか注目です。
会津若松(鳴海)
今年注目のまち、1つ挙げるとするならば、会津若松だと思います。
昨年、会津若松市はデータバレー構想を発表しました。各種データのオープンデータ化、それと前後して会津大学に隣接するアクセンチュアの機能拡大の発表が行われています。会津大学もIT時代にあった素晴らしい教育、取り組みを行っています。
市街地では昨年からスマートバス停が設置されていますし、12日からは電気バスが運行開始となりました。そしてリオン・ドールという地域で存在感を発揮する小売業があります。
プレーヤーたちが揃っている中、会津若松はいかに変化するのか?今年、来年は注目の都市になることは間違いないでしょう。
いかがでしたでしょうか。2018年と2019年のまちの動き・ポイントが少しは見えるようなものになったのではないかと思います。
それでは、本年もmatinoteをよろしくお願いいたします!
matinote編集部
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